スライドショーが終わったあと、最終日に大神島へ遊びに行ってきました。
写真集「大神島・記憶の家族」を出版した、写真家の勇崎哲史さんの案内のもと、島の人たちの家を周るという、なかなかできない体験をしてきました。
人口は29人、そのほとんどは老人で、一番若い人で50歳くらい。
展望台から見下ろすと、島の大きさがすぐに把握できるほどの小さな島です。
警察も、病院も、スーパーもなく、歩いていたら、ブロックを積み上げて自分で家を作っている最中の人までいました。最近になって、島へ戻ってきた大人たちが食堂と民宿を始めましたが、それもただの箱のような簡単なものです。
島が小さいためか、家も畑も小さく、なんだかミニチュアの中を歩いているような不思議な気分になります。
かつてここに、学校があり、多くの家族が暮らしていたというのが信じられないくらいの小さな島です。
島には、男性が立ち入ってはいけない場所があり、入ったら死ぬといわれていたり、たくさんの神様が存在するそうで、私は不思議体験ができるのではないかとワクワクしながら向かったのですが、なぜか公民館にあった壊れていたレーザーディスクのカラオケセットを、一緒にいた写真家たちが直したことで、島の人たちとカラオケ大会が始まり、スピリチュアルとは程遠いバカ騒ぎとなりました。島では10年ぶりのカラオケだそうです。
不思議体験はできなかったものの、島の空気はフワフワしていて柔らかく、綿に包まれたような居心地で、島にいる間はどうにも現実感を感じることができませんでした。
あと、子供が一人もいないのに、夕方6時に夕焼けチャイムが鳴っていたのは印象的でした。